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中高年の膝の痛み 〜半月(板)損傷 順天堂大学教授 黒澤 尚
 
治療は内視鏡(関節鏡)手術によって断裂部位を切除することです。麻酔下で膝に小さな(7〜8ミリ)の穴を2(〜3)カ所開けて直径7ミリくらいの関節鏡を挿入し、半月の断裂を確認して(図3、4)、もう1つの小さな穴から手術器械を差し入れて断裂した半月のかけらを部分的に切り取るというものです。
通常、手術時間は30分以内で、入院は1〜2日間です。手術後は前回お話しした脚あげ体操など自分でリハビリを2〜3カ月間行う必要があります。ただし、中高年者の場合は治療の際、注意しなければならない点があります。それは前述したように、材質がもろくなって、何のきっかけもなく半月が自然に崩れてしまったような場合(変性断裂と言います)は手術してもあまりよくなりません。それは経過やMRIで区別できます。
また、中高年者では先回にお話しした変形性膝関節症が元々あり、その1つの病態として半月も崩れていることがよくあります。その場合は、膝の痛みの原因は半月損傷のためというよりは元の変形性膝関節症のためです。そのような場合も半月の手術をしてもあまり痛みは改善しません。さらには、半月は膝関節にとって役に立つ組織ですから、むしろ半月というクッションを取ってしまうために関節軟骨がより早くすり減ってしまう副作用が出てきます。
変形し傷んだ半月でも、半月がないよりはそれなりに役に立ちます。半月は安易に取ってはいけません。取ってしまえば再生はしません。それらの場合は、手術ではなく先回お話しした、脚あげ体操、横上げ体操など自分で根気よく行うリハビリ治療を続けていくことによってよくなっていきます。
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今回、特別寄稿いただいた黒澤尚先生は順天堂大学整形外科主任教授で、専攻は膝とスポーツ外傷。膝の病気については我が国の第一人者です。
(別府 倫兄)
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