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 続・便の性状で健康チェック     消化器外科医 別府 倫兄


 快食快便は健康の証で、便の性状は健康のバロメーターである。肝臓から十二指腸に排泄される胆汁によって便は着色され、健康であれば色は黄土色か茶色である。胆汁中のビリルビン(本来は黄色)が腸内細菌により還元されると、便は褐色調を呈するようになる。

 胆道癌(がん)や膵臓癌などで胆道がふさがってしまうと、黄色い胆汁が血中にあふれて黄疸(おうだん)が出現する。この場合、胆汁が腸に流れないので便は白色となる。胃・十二指腸潰瘍、胃癌などで出血した場合は、黒色(タール便)となる。鮮やかに赤い血液が混じった便は直腸癌、結腸癌、痔疾患を疑う。

 さて、植物性の食事では腸内の通過時間が短く、便は黄色調が強い。繊維は消化酵素で消化されないので、便の量が増え蠕動(ぜんどう)を促す。一方、脂肪や肉食の欧米型食事では通過時間が長く便秘気味となり、便は褐色調が強くなる。従来、日本人は欧米人に比べて食物繊維の摂取量が多く、大腸癌の発生は少なかったが、近年の肉食習慣の普及によって日本人に大腸癌が増加してきた。便秘で便量が少なく、褐色調の強い便の場合は、大腸癌発生の予備軍と考えられる。

 おならも健康のバロメーターである。腸管内のガスの多くは飲み込んだ空気であるが、3分の1は食物が腸内で分解される時に発生する。腸内には100種類以上、100兆個の細菌が住みついている。ビフィズス菌は善玉菌、ウェルシュ菌は悪玉菌と言われるが、肉食、高脂肪食は悪玉菌を増やす。ウェルシュ菌など悪玉菌が優勢になるとたんぱく質が分解されてアンモニア、硫化水素、インドール、スカトールなどによって悪臭を伴うガスが発生する。「臭いおなら」は悪玉菌優勢の証であり、やはり大腸癌発生の予備軍と考えられる。

 食物繊維は悪玉菌の増殖を抑え、発癌物質など有害物質を便として吸着させ、腸内の掃除をしてくれる。一日20グラムの繊維を摂取すれば、便通はよくなり、おならが出ても臭いが少ない。繊維が多い食物はいも類、豆類、米やそばなど穀類、野菜、果物、海草などである。

 さて、食事で胃が膨らむと「胃結腸反射」が起こり便意を生じる。この反射は胃が空っぽの朝食後に特に強いので朝食後には気持ちよく排便できる。快便を促すためにも朝食はきっちり食べることを推奨したい。

 ビフィズス菌は乳酸菌の一種で善玉菌である。乳酸菌は腸内を酸性にして病原菌や腐敗菌の発育を阻止する。若い時は腸内細菌のバランスがとれているが、老人になるとビフィズス菌が減少し、悪玉菌が増大してくる。中年を過ぎたら大腸癌発生のリスクを高める高脂肪食を避け、繊維に富む食事を摂取し、快便を促したい。

   
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