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中高年の膝の痛み 〜半月(板)損傷 順天堂大学教授 黒澤 尚
「図1」
中高年者の膝の痛みには、半月が損傷(断裂)して、痛む場合があります。半月は「半月板」と呼ぶ場合もありますが、膝関節の中で、上の骨(大腿骨)と下の骨(けい骨)との間で、内側と外側に1つづつある軟骨の板です。それぞれ幅が10ミリくらいの馬蹄(ばてい)形をした厚さが最も厚いところで4ミリ程度のゴムほどの固さの小さな組織です。
その役割は関節の上の骨と下の骨との形の合いを良くする(接触面を広げる)ためのものです。図1は内視鏡(関節鏡)で関節の中から見た半月(矢印)です。この半月が割れたり、千切れたりすると痛み、腫れ、引っ掛かり感、などの症状が起きてきます。若者では、通常スポーツでのけがとして発症するのが普通です。中高年者ではしゃがんだ時、立ち上がった時など日常のささいな動作で、あるいは何のきっかけがなくても半月損傷が起きることがあります。
その原因は@中高年者(40歳以上)では半月の材質が若者よりもろくなっているAもともと円板状半月といって生まれつき半月の厚さが厚く、形が大きく、それに中高年以後に前記@の要因が加わる(ほとんど外側に起る)などです。症状は痛み、動作によって膝の中で何かが引っかかるような感じがする、動作によってコキッというような音がする、腫れる、水がたまる、などです。
「図2」
診断は特に中高年者の場合はやさしくはありません。それは前回お話しした変形性膝関節症を以前から持っている方が多く、それによる痛みなどの症状と区別することが必要だからです。それにはよく患者さんの症状のお話を聞いて、さらに膝をよく触って診察することに加えて、MRI(核磁気共鳴画像)を撮ることです。半月は軟骨なのでX線には映ってきませんが、MRIを撮ることによって映ってきます(図2)。
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今回、特別寄稿いただいた黒澤尚先生は順天堂大学整形外科主任教授で、専攻は膝とスポーツ外傷。膝の病気については我が国の第一人者です。
(別府 倫兄)
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